OECDが出した中国経済の危険性


●フランスパリに本部を置く経済協力開発機構(OECD)は、このほど、高度成長を続けてきた中国経済は突然の「成長停止」に見舞われると発表した。英紙「テレグラフ」の報道による。

OECDが算出する景気先行指数(CLI)によると、今年3月中国のCLI指数は、年初の102・7ポイントから102・2ポイントに下落した。 CLI指数は経済景気の転換点を示す重要な先導指数で、OECDはこの指標を用いて近年、主要経済体に対してほぼ完ぺきに予測してきた。「テレグラフ」紙は、 OECDの警告で、中国がより難しい時期に突入するという、人々の懸念が一層強くなることを指摘している。

■成長停止は何を意味するか?


さて、上海万博後にバブル崩壊するなどのウワサが以前からあった中国経済ですが、さらに信憑性のあるデータがOECDから出されたということです。OECDでは成長停止と言っていますが、その意味するところまでは、英紙「テレグラフ」には、掲載されていません。

とにかく、中国が発表する中国のGDP成長率の発表はことごとく、嘘です。信用できません。これは、昔からはっきりしていたのですが、なぜか日本のマスコミや政治家まで、ことごとく信じているのか、国民を騙すつもりで嘘を平気で報道しているとしか思えません。

私は以前にもこの日記で、中国が発表した統計資料の矛盾に関して書いたことがありました。その内容は、:中国中央政府のある機関が、経済成長にともない鉱工業経済がかなり伸びているというにも関わらず、その後に別の機関が<電気消費量が大幅に減退している>という統計を発表したというものです。これは、大きな矛盾です。鉱工業生産が増えれば、電気消費量は増えるのが当たり前だからです。ちょっと考えれば誰でもわかることです。

更に今年に入ってからは、中国の各省のGDPの値の一つの省を除いて、全国平均を上回るということがありました。しかも、その一つの省のGDPの値が、他省の 1/100とかで、大幅に平均を下回っているということなどありませんでした。これは、誰もがわかることで、中国国内でも、中国のネット上でかなり話題になっていました。中国のGDPの発表など信じることはできないことは明らかなのです。

そして、中国ではもう数年まえから、大卒の深刻な就職難が顕在化しています。確かに、10年ほど前から、大卒を大幅に増やしていますが、現状の大学生の就職難は、専門性にこだわっているということなどはなく、単に本当に就職先がないというのが実情のようです。大学生の数を大幅に増やした直後では、就職難が目立たなかったのに、最近になってそれが顕著になってきたということはどういうことなのでしょぅか?だから尖閣デモでもこうした若者の鬱憤が出るのでしょう。

何故かは、はっきりしています。大学生の数が増えて4年以上たって、卒業生が増えてからもしばらくの間は就職難がなかったのに、最近就職難が目立ということは、要するに以前ほどには経済が成長していないことを示しているということです。

そのため、今年中に中国のGDPが、日本のGDPを上まわると見られていることは、全く信用できません。仮に、中国がそう発表したとしても、信じることは全くできません。

アメリカ、日本などでも、雇用の問題が取りざたされていますが、これらの国では、GDPが今後あまり伸びなくても、雇用の心配はさほどではありません。数%もあれば、十分雇用を吸収できます。なぜなら、もうすでにかなりインフラが整備されているためさほど伸ばさなくても、良いわけです。

しかし、中国ではそんなことはありません。未だインフラが十分整備されていないので、おそらく、6%以上も成長しなければ、十分に雇用も吸収できません。さらに、経済成長も、10%未満だと、雇用を吸収して、多少成長するという程度です。本来であれば、やはり、10%を軽く超えないと、大きな成長はしないということです。これは、高度経済成長時の日本でもまさしくそうでした。しかし、日本の場合は、20%近い成長を維持し続けて第二の経済大国となることが出来たのです。

さて、上のOECDの数値は、貿易統計などから、出しているものであり、中国の統計などとは違い、信憑性は高いです。いくら、中国が出鱈目の数字を出していたとしても、世界各国の中国からの輸入量、また、世界各国の中国への輸出量などは、中国の統計よりは正確であるため、それらの数値を使えば、中国の出鱈目な数字などは参照しなくてもすむからです。

最近まで中国では上海万博が開催されていたので、大阪万博の時の日本と良く比較されましたが、大阪万博のときの日本は、高度成長期にあたっていて、何とその頃の経済成長は、年でGDPが20%近い成長をしていました。しかも、これは、信憑性が非常に高いものというより、その後の日本の実体経済と矛盾しなかっので、真実でした。やはり、一国が、経済成長して、まがりにも世界第二になるというのは、こういう事です。現実には、10%未満をうろうろしている中国では無理だと思えます。

もうそうなると、二度とそのような機会は訪れることはなくなるかもしれません。なぜなら、中国は、30年も一人っ子政策を進めてきたので、急速に高齢化が進んでいるからです。これに、比較すると、アメリカは中国のような高齢化み見舞われることはありません。何か、アメリカは今後衰えて行くようなことをいう人も多くなってきましたが、高齢化という観点からみれば、そんなことはないです。むしろ、アメリカのほうが国力の将来性はあると見ることが出来ます。

それから、最近の上海万博と大阪万博の頃の日本を比較されるのですが、確かに経済発展というところでは似ていますが、全く異なることが一つあります。それは、あの当時の日本は、少子高齢化とは無縁だあったということです。しかし、中国はすでに少子高齢化が顕著になりつつあります。経済発展のためには、本来は、人口もどんどん伸びていく必要がありますが、中国ではその逆です。

つまり、中国が世界第二の経済大国になるなどということは、単なる夢想に過ぎないということです。しかし、たとえOECDの統計資料がなくても、中国の経済が駄目になるということは、もう、数年まえから、上記のような類推から多くの人が認識していました。それは、他の多くの先進国も同じことです。

今の民主党政権は、どうなのでしょうか、普天間基地の移設問題や、最近の口蹄疫の対処などからみて、おそらく何も考えていないのだと思います。むしろ中国に多大な幻想を抱いています。

ここ1〜2年で、いますぐ、どうこうということはないですが、長期的にやるべきことは、日本国そのものの内需拡大と最近数が最も多くなった中国移民の対策ですが、民主党はその逆ばかりやろうとしています。まさに売国政策ばかりを目論んでいます。                       

日本国の内需拡大と、中国移民対策は、やる気にさえなれば、さほど難しいことではありません。対策としての法整備をすればよいのです。ただし、売国と素人集団の民主党には無理です。出来ませんし、やりません。

もう、民主党には任せておけませんね。本格的にまずくなってどうしようもなくなってから、動き出すという事なのだと思います。もう民主党は、経済政策も駄目、社会政策も駄目、国際問題も駄目、安全保障も駄目、やることといえば、日本国という国民国家の解体のみです。次の選挙では、少なくとも、民主党にだけ投票することはやめましょう。
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2010年11月23日

 

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