MMT理論に関する疑問
1.
通貨の存在価値が徴税に依存しているとしても、通貨を「無から創造」できるならば徴税は不要なので、徴税は基礎にはならないのではないか。
正しくは、徴税が基礎なのではなく、「社会による交換可能性への信頼」が基礎。それがある限り、通貨には存在価値がある。
かつて軍票が通貨として通用できたのは、「日本軍の強さ」のみ。負ければ紙くずになる。軍は徴税しなかった。
米ドルが通貨として通用できるのは、「米軍の強さ」のみ。
つまり、通貨が通貨として流通する条件とは「物理的・社会的信頼性」以外のなにものでもない。
2.銀行の信用創造の上限は、借主の返済能力に依存する、というが、その貸し出したカネは「無から創造したもの」なので、消えても問題はないはず。銀行の不良債権とは、「帳簿上の不合理」でしかなく、「実際の損失」ではない。つまり、銀行にいくら不良債権があっても、信用創造によって穴埋め可能。じゃあ、銀行は全能神なのか、という話だが、そうである。社会は、いつのまにか、銀行を全能神としてあがめ奉るようになった。
かろうじてその全能性を制限しているのは「帳簿上の不合理を信用創造で解消する行為」に対する国の法的規制。
https://www.youtube.com/watch?v=aM6D4UqH6ac
2019年7月7日
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