戦後のリーダーの質の劣化をまざまざと見せつけた事件であった


1.

丸山議員が「戦争で取り返すこと」について元島民に尋ね、維新を除名された。

これに関して述べた高須医師に対する小西議員が次のようにツイート。これについてコメントする。


”高須氏は丸山議員の「戦争」発言を「自説は国会で堂々と発言してください。」と述べている。「戦争」発言は「武力行使の放棄」を定めた9条違反であり、平和的解決を定めた日ソ共同宣言違反である。高須氏をCMに登場させることは法令尊重、国際親善等を定めた民放連放送基準に抵触するのではないか。”(小西ひろゆき参議院議員)

https://twitter.com/konishihiroyuki/status/1128241742463913988

「「戦争」発言は「武力行使の放棄」を定めた9条違反であ」る?

奪われた領土を奪還することは9条違反なのか。じゃあ、どうやって奪還するのか。もしかして、この人「奪われっぱなしにしろ」とでも考えているのか。じゃあ、自衛隊って不要だな。侵略されても使えないんだから。それでいいのか?国益に奉仕するために選ばれている国会議員として?

「平和的解決を定めた日ソ共同宣言違反である」

あの〜、「戦争で取ったのだから諦めろ」って言っているのはロシアのほうなんだけど。「日ソ共同宣言」では「日ソ両国は引き続き平和条約締結交渉を行い、条約締結後にソ連は日本へ歯舞群島と色丹島を引き渡し(譲渡)する。」と謳われているが、「戦争で取ったんだから」と言ったら、宣言を無視すると言っているのと同義。ロシア側が「平和的解決」を拒否しているんだよ。なんで日本側だけがそれを守らなければならないのか。

2.

国の基本の一つである領土については、国民は妥協してはならない。

侵略されるままにしたら、国の滅亡につながる。

だから、侵略を防ぐために自衛隊がある。

自衛隊は主に「戦争という手段で領土を回復するために」存在する。

それゆえ、丸山議員の発言に何も問題はない。

日露領土交渉をずっと見てきて国民はすでに「領土は戦争以外では戻らない」と悟りつつある。

この心の中で密かに感じていたことを、議員が口に出したから拒絶反応が起きた。

しかし、すでに述べたように「戦争による奪還が否定されたら自衛隊の存在に意味はない」のである。

領土のためには、血を流す覚悟が必要である。

日本人は、この現実を戦後74年間見ないようにしてきた。

日米安保があるので、戦争と無縁の生活ができると考えてきたが、それは錯覚である。

現実は不変だから。

戦前も戦後も「領土のためには血を流さねばならない」という現実には変化はないから。

戦前も戦後も「他国の領土を欲しがる国がある」。

人間の本性が変わらない限り、必ずそういう国は出てくる。

だから、一国が存在するには、軍隊が必要なのである。

丸山議員の発言に対して除名処分をした維新は、この現実に対して普段から考えてこなかったのである。

「奪われた領土を戦争で取り返すことは国権の一部である」というアタリマエの事実について準備ができていなかったのである。

松井代表は「ロシア人にも謝罪する」と言った。

泥棒に対して「奪われたものを力尽くで奪い返そうと述べたことについて、泥棒のみなさまに謝罪します」と言っているようなものである。

戦後のリーダーの質の劣化をまざまざと見せつけた事件であった。

 

 

2019年5月17日



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