文化命令には「人間界」が含まれている


創世記1章28節b
生めよ
ふえよ
地を満たせ
地を従えよ
海の魚、空の鳥、地をはうすべての生き物を支配せよ

とあって、この聖句に書いてあることは、この地球の「自然界」を統治せよということだと思います。

貴兄のHPを見ると

あらゆる領域において、つまり、政治・経済・芸術・教育・家庭・・・すべてのことにおいて、全世界の国民が神の命令を守るように整えていく使命が再び与えられた

とあり、自然界だけでなく人間社会も統治の対象とされ、拡大解釈すぎるのではと危惧致します。

クリスチャンは「自然界」だけでなく、「人間界」をも統治すべきであるという根拠を教えて下さい。

まず、この考えは、再建主義独自のものではなく、伝統的なカルヴァン派のそれで創世記1:28は「文化命令」と呼ばれています。

Reformed Answerでは次のように記されています。

質問

なぜ神は人類に文化命令を与えたのか?

回答

聖書の創世記第一章の始めにおいて、堕落前に神はアダムとエバに非常に重要な命令や指示をお与えになった。それは実際に、ほとんど世界観と呼ぶべきものである。すなわち、神は、「園の美しさと秩序と素晴らしさを受け入れ、それを世界中に広めよ」と命令されたのである。聖書は「[人間は]堕落し、この命令の遂行に失敗した。この命令は、第二のアダムであるイエス・キリストと彼の花嫁である教会を通じて再開された」と述べている。それゆえ、文化使命、創造命令、創世記1章の最初の法令は、聖書のメッセージの核心を成し、贖罪は、まさにこのことと大いに関係がある。ある学者は「贖罪とは創造の回復である」と言ったが、私は、これは美しいイメージであると思う。それは、聖書の内容のすばらしい包括的な理解である。私はよく聖書のメッセージを次のように説明する。すなわち、「神はご自分の支配または御国を、天から地へ、創造から新創造に回復された」と。そして、「この二つの柱、この二つの軸を中心とする流れにおいて、神は天上の現実が完全に再生された地上の現実になるように導かれ、さらに、神が創造を新しい創造の最終目標に向かうように働いておられるという一時的な感覚をわれわれにお与になる」と。その根底にあるのは「神はご自分の美しさや卓越性、もっと聖書的な言葉を使えば、ご栄光を世界中に広めつつある」という考えである。そしてそれは、神の教会における贖われた人々だけではなく、個人としてのすべての人間の使命でもある。

http://d.hatena.ne.jp/koumichristchurch/20151005/p1

アダムが創造されていなかった当時「人間界」は存在しませんでした。

しかし、「生めよ、増えよ」と命令されているので、将来人間界が現れることは予測できたでしょう。

「地を従えよ」の中に「将来生まれる人間界をも従えよ」も含まれると解釈しても問題はないでしょう。

創世記の大きなテーマは「人間は神の被造物を管理するために創造された」ということですから、「人間界だけは別だ。政治経済は神と無関係にやっていい」という結論は導き出すことができません。

イスラエルに与えられた律法も「人間社会のあるべき姿」を規定するものであり、その内容は政治・経済・文化の様々な分野に関係しています。それゆえ、「神は、人間が、人間社会を含む全被造世界を正しく統治することを望んでおられる」と結論できます。

第2の文化命令と呼ばれる「大宣教命令」においても、イエスは「諸国民を弟子とし、わたしが命じたことを守るように指導せよ」と言われています。

イエスは「私には天においても、地においてもいっさいの権威が与えられた」と宣言してから、この大宣教命令を与えられたので、世界の王であるイエスのもとに、人間界全体がイエスの命令どおりに動くことが期待されていることは明らかです。

聖書全体の主張から見ると、文化命令に「人間界」が含まれると考えるべきだと思います。

 

 

2019年5月8日



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