キリスト教を健全に維持するにはヴァン・ティルの弁証論に立つしかない3
ヴァン・ティルはカイパーの対立の概念を重視し、近代の大陸哲学に関する幅広い研究を通して、それを厳密に発展させた。18世紀のドイツの哲学者インマヌエル・カントの思想は、特にこの若い神学者に影響を及ぼした。カントは、純粋で自発的な経験的観察だけでは、世界を理解するのに不十分であると主張した。その代わりに、経験的知識は、人間の論理的思考を形成する既存の心的カテゴリーによって構造化されるとした。20世紀初頭までに、カント思想は、ほとんどの認識論哲学に挑戦し、神学にも影響を与えた。カント及びカントの批評家たちに関する慎重な研究を通じて、ヴァン・ティルは、常識的な証拠主義とそれに基づく弁証法は、よく言えばナイーブであり、悪く言えば、20世紀の哲学的戦いに参加する保守派のクリスチャンを無防備にすると確信した。カント思想を受けて、ヴァン・ティルは、キリスト教弁証論の本質に対する「先駆的な洞察」を発展させ、次のように結論づけた。「どのような哲学的な立場であっても、与えられた前提は、その後の作業の大部分をあらかじめ決定づけ、支配する」と。結局、このような、証拠よりも「前提」を重視する姿勢は、ヴァン・ティルの「前提的」弁証法の顕著な特徴となった。
(同上)
きよい人々には、すべてのものがきよいのです。しかし、汚れた、不信仰な人々には、何一つきよいものはありません。それどころか、その知性と良心までも汚れています。(テトス1・15)
人の目にはまっすぐに見える道がある。その道の終わりは死の道である。(箴言14・12)
2017年7月28日
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