国の制度を利用すべきだ


特許庁の仕事をやった。かれこれ5年くらい続いている。

次から次へと仕事が来て、寝る時間も削っている。

90年代までは月収で40万くらいはあった。

今はものすごい。

この3日かかった仕事は、2万円にもならない。

内容は化学。専門外だから、いちいち用語をチェックする。

絶対にいい加減な訳語を付けられない。

1語調べるのに1時間かかることもある。

それで、日本文字1つ2〜3円程度。

奴隷の仕事だ。

ロシア語は辞書がそろっていないので、英語の訳語しか手に入らない。専門外だから、さらにその英語を辞書で調べる。

2重の手間がかかる。

昔は、表の中の数字もカウントに入れてくれたが、今は、どの企業も官庁も数字はカウントしない。

数字の単純入力が、1時間かけて訳語を調べる作業を相殺してくれたが、それがないので、絶対にわりに合わない。

次々と廃業者が出る。

それでも続けるのは、企業などでおかかえで務めると自由が拘束されるから。

今のような不況の時代に、一番あおりを受けるのは下請け業者だ。

こういう状況において、政府が財政難だから増税するなどという安易な道を選択することが絶対に許せない。

外国人が生活保護を受けるとか、生活保護世帯が30万受け取っているとか、もう狂っている。

労働者に利益が還元されない社会は、悪い社会だ。

働けば生活が楽になる、努力すれば報われる、という当たり前のことが通じない社会になった。

生活保護にしても、探せば仕事はある。

しかし、今日、人々はすぐに社会保障に飛びつく。

実際問題として、私は、社会保障を国から搾取された分を取り返すという意味もあるのではないかと思う。

だから、図書館に買いたい本を注文して買わせるとか、スポーツジムを民間ではなく、公的機関を利用して利益を還元させるとかあると思っている。

馬鹿正直に生きるのが聖書的だとは思わない。

合法なら利用できるものはどんどん利用すべきだ。

われわれが知らないいろいろな制度がある。

たとえば、公務員の奥さんは、夫が死亡した場合、それまでの3分の2の恩給を受け取れるらしい。

知識がないと、ゼロになる。

社会制度そのものがおかしいのだから、むしろその制度を利用してやろうというくらいがちょうどいいと思う。

以前調べた知識から言うと、今回の3日かかった仕事は、おそらく予算として官庁が受け取っている額は20倍から30倍だろう。

なにせホームページ作成に5億の予算をつける感覚だ。

業者が談合するのも無理はない。

翻訳者はそういった団結をしないから安く買いたたかれる。

仕事が欲しい人間はいくらでもいる。

この2万円弱の仕事でも、文句を言えば、「じゃあ、ほかに回します」と言われるだろう。

私は国立大学に入ったのでかなり得をした。

当時授業料は年間12万くらいだった。今、私立は200万とだろうか?

環境が悪い以上、どんどん国の制度を利用すべきだ。

 

 

2013年10月14日



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